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なぜ批判は必要なのか?

「批判はいけない」という,根拠の無い意見があります。
お上の意向を素直に受け入れろと。

かつて小沢一郎氏の時は,微罪にもならない政治資金収支報告書の日付の問題で,執拗にネガティブ・キャンペーンが繰り返されました。悪い人お金にきたない人というレッテル貼りがなされました。その件を,若者つかまえて聞いてみると,「悪い人なんでしょ?マスコミが盛んに報道するから。」

東京知事だった舛添要一氏の時も,怒涛の様な報道で辞職に追い込まれました。「別に犯罪でも無いし,もっとひどいのもあるようだけど?」と,身近な人に聞いてみると,「カネがどうのこうのとかでは無くて,あの人は知事の資質の無い人だ。」と真顔で言います。では一体都民は何を基準に投票したのでしょう?

富山市議会議員の政務活動費の不正問題。全くもってけしからん筈だったのに,本丸だった自民党は改選数を若干減らしたものの圧倒的多数。やはり,一体何を基準に投票するのでしょう?

政策がどうのこうのでは無くて,自民党で,地元から出ていて,自分だけが,今がよければ,という発想の様です。後は,マスコミの報道鵜呑みです。「思考停止」と指摘されます。反知性主義と言われます。

でもこれは今に始まった事では無くて,昔からの様です。
一応,民主主義的手続を踏んでもそうなってしまうのです。
知性の高い人の事でも,マスコミがおかしな人だと報道すれば,国民は「あの人バカ」とみな思うらしいのです。どんな酷い人でも,マスコミが盛り立てれば,立派な人だと思い込んでしまうようです。お人よしにも程がありますが,お人好しだという認識すらないのでしょう。「何かおかしいね。」と思っても,「マスコミが報道しないから,共通認識じゃないんだ!」と思いこんでしまう。何と情けない事でしょうか。

こう言う性質の国民では,マスコミがしっかりしていないとどうしようもないのですが,マスコミが腐ると,賢者が愚者にされ,とんでもない愚者が英雄のごとくに祭り上げられている。それが今の日本の様です。

マスコミを疑ってもどうしようもないと思っているのかもしれません。
マスコミが正しいかどうかなんて関係無いのかもしれません。

マスコミの報道 = みんなが知る共通認識
だからでしょうか。

そうすれば,多くの部数を持つ新聞・TVを疑いもなく信じ,最も支持を得ているらしい政党をとりあえず支持しておく。別に間違っていても,皆がそうだからと,責任感じなくて済みます。皆がそうするからと,次々と海に飛び込むラットと同じなのですが。

私を含め,本を読まなくなったのは確かの様ですが,それまでの思考を止めたわけでなく,元々考えていない人も多いのではないかと思います。

ここで言う思考とは,頭の良し悪しとは関係ない様です。頭の良い人にも何も考えない人がいます。むしろ余計な事を考えない方がより頭が良いと言う事になる様です。大きな組織内できちんと仕事をこなす人にはそう言う人が多いのかもしれません。

もう30年以上前の話です。民間企業に就職したてのころ,会社の仕事のやり方についての批判やら,世の中の動向について,時間あるごとに一部の仲間うちで議論していました。議論(というよりも雑談)を始めると,それなりに教育を受けた仲間であっても,「難しい話は知らね。俺関係ねーや。」と言い出す者が少なからずいました。

自分の属する会社の事や社会の仕組みを真剣に議論しないのはむしろ無責任だと思うのですが,会社の上層部としては,いちいち面倒な理屈を持ち出す者よりも,上からの指示通りに動いてくれる者がありがたいわけです。そこで,上下の変な利害関係の一致が起こります。

今でも覚えています。
4日1日の入社式の予行演習のために,3月31日呼び出されましたので,「3月中は学生の身分ではないか。学割を使って呼び寄せるのは反則ではないか。」という意味のことを私よりも若い人事担当者に申しました。まともな反論が返ってくるのかと思うと,有無も無く,
「そんなヤツはウチの会社ではいらない。」とのたまうのです。
人事担当者ならば,新人社員の生殺与奪を握っていると勘違いしている者がいるのです。「お前,重役かよ。」とは口に出しませんでしたが,メラメラと反抗心が燃えてきました。会社が必要な人間だと認めて入社させている者を,1日も勤務させずに辞めろなんていうバカがいるのだと唖然としました。

当時事実上の創業者がトップについており,すでに大企業ながらワンマン企業でした。こういう輩は全権を与えられていると勘違いしているのです。会社では,「社長は絶対」で「独裁政権は当たり前」に慣らされているのかもしれません。
直後の実習時代にもやらかしてしまいました。以前も書いたかもしれません。公然と創業者の息子に楯突いてしまったのです。詳細は避けますが,私にしたら真っ当な意見を言っただけなのでしたが,場が凍りついてしまったのでした。

ある部長や同期生は,後から私に,
「あれは面白かった」とか言ってくれました。
ならばなぜ,あそこで笑うなり,拍手するなり,せめて,どっと場が和むなりしなかったのでしょうか?

私は,次期社長に何を言うか分からん危険人物とみなされたのでしょうか。静かに実習生の代表を外されました。私が会社を去った後も,私が盾突いた二代目がトップについた会社は長らく低迷していました。その後,三代目をつけず,私も良く知る生え抜きが抜擢されました。会社は一遍に元気になりました。

かの本田宗一郎は自分の息子を社に入れませんでした。異なった意見を受け入れずに失敗した経験があったからです。そのくらいのことは当時の私でも,ものの本で十分認識していたのです。むろん若かったので,単なる反骨心だったかもしれませんが。

企業内のプレッシャーが嫌でその企業を辞めたわけですが,国の現状を見るにつけ,同じ様な雰囲気を感じてしまいます。会社は業績低迷が続けば潰れますので,トップを創業家から変えてでも生き残りを図りますが,国はどんどん行ってしまうのが怖いところです。
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majyo

私へのコメントでも書いてくださいましたが
どうして権力やマスコミが正しいと思うのか?不思議でなりません
自分の頭で考えて欲しい。
権力が間違いだったからこそあの戦争が始まり、多くの方が亡くなり
侵攻したところではたくさんの人を殺しました。
寄らば大樹の影が多いのでしょうか
私も仕事をしていた時に工夫したら、言われました。
そんな事はやらない方が良いと。常に日本社会は風通しが悪い。
お上の言う事を聞いていれば良い。そうでないのは売国だと
Enriqueさんは 若い時から今と同じようだったのですね。
by majyo (2017-04-26 20:29) 

Enrique

majyoさん,恐ろしい事ですが,国民に中にも人の皮を被ったロボットが居るのです。文句言わず上の意向に従えと。こういう人物の存在,多数の無関心層,サイコパスの指導者らしき者が跋扈すると,現在のような状態になるのです。よほどマスコミがしっかりして,良識派が力を持たないと,平気で間違った道に行ってしまう。
私は昔から相変わらずですが,むしろmajyoさんのように途中からでも疑問感じ,しっかり運動される方のほうが貴重だと思います。
専門家に任せれば良いという意見がありますが,どこの世の中に自分の行く末を人に任せる者がいるのでしょう。能天気すぎます。
私が新入時代は1日早いと抗議したわけですが,現在では半月も1ヶ月も前から見習いで入社するところもあるのだそうです。
by Enrique (2017-04-26 21:42) 

momotaro

若い頃のご苦労談、面白く読んでしまいました。私も3ヶ月で辞めた口なので、頭の構造が似ているのでしょうか!?
by momotaro (2017-04-28 05:55) 

Enrique

momotaroさん,私は10年勤めました。新人時代からの反逆が災いしたのか,年下の同期で部長になるものいましたが私はヒラでした。自分の思う通りにしていましたので,まあそんなものでしょう。給料貰えただけでも有り難かったですし,会社は給料だけで無いことも骨身に染みました。とは言え,心まで売り渡す気にはなりませんでした。
by Enrique (2017-04-28 23:19) 

gonntan

すごいなぁと感心しながら読みました。
私も本流といわれる人たちにはなれない者ですが、
会社でそういう言動ができるかと言われれば
絶対できないと思います。
内田樹氏が「国は株式会社ではない。
無限責任を負うのが国である」
と指摘されています。
即断即決を求めて独裁体制を認めて結果的に
会社ならつぶれてお終いで良いかもしれないが、
国はどこまでも責任を負わねばならない。
知性ある者が、倫理的にも納得いく政治を
して欲しいものです。



by gonntan (2017-05-03 17:11) 

Enrique

gonntanさん,いささか傲慢ながら,若気の至りで「勤めてやっている」という意識があったのかも知れません。若い人事担当者はそういうそぶりを感じとってか「お前なんかいらない」と言ったのでしょうが「お前こそ要らないだろう馬鹿者!」と言ってやりたかったですね(ハラの中ではそう思っていました)。結果論ですが,実際私の特許で会社は相当儲け,彼らの給料だって出ていたはずだったと。愛社精神を持っているつもりの馬鹿者が,そうでなさそうな者を罵倒する。これは国に於いても共通のように思います。
by Enrique (2017-05-09 05:38) 

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