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大艦巨砲主義の敗北

第二次大戦後期,旧海軍の精神的支柱であり,不沈艦と謳われた「大和」は,沖縄に向かう途上の九州沖で1945年4月7日,米軍の物量作戦であえなく撃沈されてしまいました。大艦巨砲主義が敗れた瞬間でした。

軍は究極の官僚組織と言います。自己増殖して,巨大化して後戻りできなくなって破たんする。国民を巻き添えにして。

巨大な軍艦を建造するのにどれだけの国民の富が使われた事でしょう。経済力が何倍もある米国の有する最大の軍艦でも,一回りも二回りも小さかったのです。

でかい戦艦よりも航空機,レーダーや無線機器,暗号解読などの情報戦になっていたが古い発想から抜けられなかった。

現在も,大艦巨砲主義の敗北を見ている気がします。
時代遅れで膨大なカネの掛かる原子力に固執して,明治初期から続く日本の有数企業を潰しそうになる。それを避けるため,世界に冠たる半導体技術を売りに出す。

しばらく前は,バカみたいに金を掛けてスーパーコンピュータを作って世界一を目指しました。「2番じゃダメなんですか?」の名言がよぎります。それに対して,迷言だと大批判が湧きおこります。おそらく「2番目指して首尾よく2番が得られるわけがない。1番を目指さなくては,2番だってあやしいだろう。」というのが,批判派の理屈でしょう。しかし,世界一を目指す方法論を言っているのではなく,金と人を掛けて処理速度世界一を達成しすること自体が,掛けたコストに見合う事業なのかどうかという話です。ただごついコンピュータを作ったって,直接科学技術の発展につながるわけではありませんし,それほど処理スピードが重要なら,遥かに低いコストで実現する事が可能だからです。

一言で言えば,国益よりもカネを使う事自体が目的化していないかということです。
「足りぬ足りぬと工夫が足りぬ」という戦時標語がありました。科学技術予算バブル期の戒めなら,「使え使えと,アタマを使え。」というのが,真っ当ではないでしょうか。カネを取るために,使わなくて良いアタマを使っているのが研究者の実態になってしまいました。

世界最大の戦艦大和,世界最高性能の名機ゼロ戦,訓練された乗員。戦前の日本人の勤勉さの精華でしょう。今もそうかもしれませんが,かつての日本企業は,擬似軍隊でした。実際「部隊」という名称を用いていました。正式な部署名とは別に,何とか製品部隊とか。企業戦士などとも言われました。いよいよ追い詰められると,兵隊が体当たりをしてでも何とかします。

現在も使われる八木アンテナやマグネトロンという独創技術を持ちながら使いこなせず,敵に使われレーダー技術の遅れを取った。個別には優れたものを持っても,グランドデザインの失策,負け戦をしてしまった外交政策の失策です。かえすがえすも,敗戦から何も学んでいないのではないかと,暗澹とします。
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