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バカやってんじゃねえよ!

ニッポンの科学技術の凋落には激しいものがあります。

そう書くと,「そんなわけないだろ!」ノーベル賞も沢山取ってるし,「ニッポンの技術はすごいんだ!」とか,言われそうです。テレビでもネットでも,「ニッポンすごい」の大合唱です。

残念ながら,「ニッポンすごい病」に侵された人たちから,進歩や革新を期待する事は出来ません。少なくとも先端の科学や技術の分野では,遅れているものが多いのです。現在の日本人研究者のノーベル賞は20年以上も前の研究成果に対して得られているのです。

その原因の一つは基礎研究の凋落です。技術の分野であっても,基礎は重要です。
役立つ事にしかお金は出せないと,真面目な研究者を葬り去り,口八丁手八丁の研究者には使いきれないような金を与えたが,目ぼしい成果は出ない。一体世の中に「役立つ事」などをいったい誰が決めるのでしょうか?それが一番分かるはずの研究者自身が,分からないから研究しているのであって,役に立つと分かっていたら研究ではありません。目星のつく展開研究にのみ金が回り,基礎研究は綺麗さっぱり始末してしまったのです。金を与えないのならば,時間を与えれば良いのです。自己評価やら何たらをやらせて,ご丁寧にも時間すら奪ってしまった。幻の「役に立つ研究」とやらを脇目振らせずやれと。

ノーベル賞を受賞した学者が再三警告しても,時の権力は言う事を聞きません。全く理解できないのか,そんな気の長い話は関係ねえよとタカをくくっているのかです。研究者サイドにしてみたら,「役に立つ」と言わないと研究費が貰えません。少なくとも基礎研究の分野では,「役に立つ」はうそでしかありません。うそをつける基礎研究者に碌な者はいません。ここが,大いなる矛盾です。こんなことをしていたら凋落するだけだと,真面目な識者は15年も前に警告していた事です。その通りになっています。

従来の延長線上に無い分野にブレークスルーがあります。本来,基礎研究を担うべき大学や研究機関の基礎研究力を予算の削減に輪をかけて減じてしまった。それでは,企業はどうかといえば,日本の金融機関はベンチャーには金を出さないのはかつてより有名です。ベンチャーキャピタルの様な仕組みも日本であまりうまく回っている様にも思えません。

大企業の研究開発はかつて活発でした。その成果でなんとか現在経済を支えているのです。ソニーやホンダのロボット技術,産業用ロボットの技術では日本のFANUCは世界一でしょう。ノーベル賞の対象にもなった青色LEDは世界を変える素晴らしい発明ですし,東芝の半導体技術もオリジナルな技術で世界の産業基盤を支えています。世界一強力なネオジウム鉄ホウ素磁石も日本の発明です。電池の技術も素晴らしいし,省エネ関連の技術も世界一でしょう。しかし,技術者を大事にしないから,かなりの技術流出が起こってしまった。まあ結果として,自然の流れで世界人類の為になっていれば良いのですが。

シャープの例にしろ,東芝にしろ,せっかくの素晴らしい技術を開発し繁栄していながら,経営ミスで挫折しています。斜陽産業に金をぶち込み,新規産業をつぶしているのは,企業だけの責任では無いようです。原発事業で巨額の損失を出した東芝の例で言えば,天文学的な損失の出る斜陽産業を温存して,過去の技術者たちの汗と涙の結晶で,現在もうけ頭の半導体技術を切り売りして,しのごうというわけです。バカとしか言えません。東芝の様な会社がダメになるのは,日本がダメになる時だと思います。第2の敗戦を向えようとしている様です。

この頃,盛んにAI(人工知能)が叫ばれますが,日本のその技術は遥かに遅れてしまい,中国にも及ばない様です。ハード面にばかり特化した結果です。日本の技術者研究者が「モノづくり」「モノづくり」と,モノづくりの経験も無い人たちを悦ばすための作文をした結果でもあります。だいたい,正当な批判精神を失ったら,科学技術の進歩などあり得ません。日本の人工知能の研究レベルは「周回遅れ」だとのことです。

この記事に関して,読売新聞の記者がまたバカの極致のような質問をしていました。

政府の肝いりでオープンした理化学研究所「革新知能統合研究センター」の初代センター長に就いた杉山将・東京大教授が,冷静に日本の遅れ具合を語っているところに,この記者は,

「――新センターが発足したというのに、最初から勝負にならないというのは弱気過ぎませんか。」

科学研究が,気迫でどうにかなると思っているのでしょうか?「ニッポンすごい病」を罹った者の世迷言と言わざるを得ません。大本営発表を信じた戦時中の国民が,「そんな弱気ではいかん!」と冷静に戦況を見る人を叩くのと同じような精神状態になっているようです。

ゼロ戦も戦艦大和も当時の日本の技術が生んだ傑作です。しかし,初戦善戦むなしく,こっぴどい負け方をしたのは承知の通り。あげくは原爆を2発もみまわれなければ止められなかった。やっとこさ止め,それでも,「敗戦」ではなくて「終戦」だとごまかし,反省すらできない人がいまだにいる。好き好んでそれを繰り返そうとしている。愚の骨頂とはこの事です。

時代の流れに乗れず,あえなく敗退してしまったのでは無かったのですか?アメリカは大戦で,ハードウェアのものづくり技術のみならず,ゲーム理論やオペレーションリサーチなどソフト面の学問分野を生みました。日本は強い分野を生かして「それゆけドンドン」は良いけれども,総合力やさまざまな技術をまとめる設計デザイン分野などソフトの分野は昔からダメです。現在AIはもちろん,IT技術もさっぱり。

せっかくハードウェア面で優れたものを作り上げながら,自滅してしまった。ものづくりの基礎は強いが,AI分野は周回遅れ。失敗に学べない人間を,普通,バカと言います。我を顧みる事をせずに,経済を追い越して行った国をバカにしたところで,誇りなど持てるはずもありません。日本の人口の10倍以上いる中国が日本のGDPを抜いたのは当然としても,日本よりも人口も労働時間も少ないドイツにも追い越されかねません。経済成長している国々が次々と迫っています。

小泉政権の頃,長岡藩の「米百俵」の精神が,喧伝されましたが,残念ながらその時点でも正しく解釈されたわけではありませんでした。弱り目の時こそ,教育など次世代の投資が必要なわけですが,それをせずに「我々はすごいんだ,自信を持とう。」とやり出すと,アウトです。どうしてこうなったのでしょうか。なぜ同じ失敗を繰り返すのでしょう。
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momotaro

愚の骨頂が中央に躍り出て、類を呼んで、呆れた政治をやってます。
まったく困ったものです!
by momotaro (2017-03-02 17:28) 

Enrique

momotaroさん,このようなイカレタ人たちの発想で日本が良くなるわけがありませんね。国民がイカレタ人たちに気がねすることなく,自由に活動できる時にこそ最大のパフォーマンスを発揮できるのですが,この人たちの目指す事はまったくの逆で,民を思い通りに動かす事しか頭にありません。国民はそういうものを支持できるわけが無いのです。
by Enrique (2017-03-03 17:00) 

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